通訳案内士がガイドとして、成長するためには、どのような勉強が必要でしょうか。
大学教授や専門家によるレクチャーは、もちろん必要です。
ホテルコンシェルジュやトラベルデザイナーの助言も、有効かも知れません。
しかし、最も大事なのは、通訳案内士から学ぶことです。
通訳案内士の仕事の本質は、いろいろな情報を組み合わせて、お客様のニーズに合わせて提供することです。
お客様の知識や社会環境、現場の天候・交通事情など、百人百様、千変万化する状況のなかで、いかにして、安全を確保しつつ、顧客満足度を高めるかです。
こうした能力を兼ね備えているのが、優秀なガイドといえます。
しかし、この優秀なガイドという高み(山の頂)に、達するのは一つの道ではありません。
富士山でも、吉田口、須走口、御殿場口、富士宮口といくつものルートがあります。
どのルートを通っても、最後のたどり着くのは、富士山の頂上です。
ガイドとして、スキルアップしたい方は、自分に適した登山道を選んでください。
ガイドのスキルアップは、まねることです。
自分に似た境遇、自分に似た立場の方の助言は、きっと役に立つと思います。
先輩ガイドの方々から、1つでも役に立つことを学んだら、昇竜のきっかけになると思います。
私は、はっきりノーと思います。通訳案内士の最大の先生は、通訳案内士です。
以上、私の考えです。
理事長 米原亮三
NPO日本文化体験交流塾には、多くの通訳案内士が在籍しています。そのなかから、この1年間に特に活躍・飛躍したガイドの皆さんに登壇いただく講演シリーズ「先輩ガイドに聞く」を本年も実施します。
今回ご登壇いただく講演者は11名。日本文化体験・ショート・ロングツアー・添乗など異なる主戦場で活動する方々が、それぞれ、仕事の見つけ方や仕事の内容、現場での苦労話や嬉しかったことなどの経験談、失敗から学んだこと、お客様を楽しませる工夫やテクニックなどを語ります。
通訳案内士を目指す方、いよいよガイドの現場に出ようと模索している方、活動の場を広げていきたい方など、今後のヒントを得られる貴重な機会となります。
毎年恒例「先輩ガイドに聞く」、この機会に是非ご視聴下さい。
全国通訳案内士(英語)
大手電機メーカーでコンピュータ関連製品のエンジニアや海外マーケティングとして従事していたが、海外からのお客様をおもてなしする楽しさに目覚め全国通訳案内士に早期退職して転身。通訳案内士二次試験対策をIJCEEで受講した縁で会員として登録。最初のアサインがイスラエル人団体のロングツアー。その後、イスラエル人ツアーで経験を積み、欧米系のロングツアーにも活動の幅を広げ、年間稼働は約120日以上。また、IJCEEでは、前職の知見を活かした「ガイドのためのIT講座」、実際のツアー経験を活かした「地域研修講座」の講師を務め、TJスクールでは「全国通訳案内士二次試験のシチュエーション演習」の講師も務めた。2024年は新人研修「箱根バス」で雪や大雨にあたるも、持ち前の対応力で受講生を指導。10月に実施した中部研修では、自家用車による3泊4日のロング研修で新境地を開拓。
全国通訳案内士(英語、ポルトガル語)
米国駐在員を最後に定年退職しガイドに転身。IJCEEに入会し素晴らしい先生方、先輩方に学ぶ。ガイディングに工夫を加え、オールラウンドなガイドに。2017年以降は200日超稼働。2016年にコスタリカ、2018年にペルー、2019年にカナダに研修出張。世界各国から集まったガイド達と切磋琢磨しながら学ぶ。TJスクールではシチュエーション講座や模擬面接などの講師を担当。
「先輩ガイドに聞く」には連続6年登壇。2021年秋実施の鎌倉研修は応募開始後数日で満席となった。また「2022年の動画づくりを学ぶ鎌倉研修」でも多くの受講生を集め、画期的な研修を行った。鎌倉ウォーキング研修は毎回満員御礼で、4日間で60名を動員。ユーモアあふれる指導で、多くの受講生から指示を集める。
共著:「True Japan Keywords 600」第1集、第2集、第3集 「通訳問題200問」
2023年 全国通訳案内士資格(英語)取得。
文化体験からツアーまで幅広くこなし、明るい人柄でエージェントからの信頼も厚い。
「これからガイドを始めようとする皆さんへ。最初はどのようにお仕事をいただけるのか、どのようにガイドをするのか、不安だらけだと思います。私も同じでした。
資格取得前は、地元の横須賀で子育て支援や米海軍基地での日本語講師のボランティアをしていました。これらの経験がガイドの仕事でも役立っています。きっと皆さんにも皆さんにしか出来ないガイディングがあるはずです。
ガイドは孤独なお仕事です。私が失敗から学んだことをお伝えしつつ、皆さんがこの仕事に勇気をもって飛び込み、末永くご自分のスタイルで続けていけるようなヒントをお話させて頂きます。」
滋賀県を拠点に活躍する全国通訳案内士。
小中学校の校長職を経て、龍谷大学でも教鞭をとった。専門は社会学。現在は文化遺産(の活用)や日本の食文化に関心を寄せる。滋賀や京都、大阪、奈良、兵庫等近畿各地の歴史遺産が豊富な地域の案内を得意とする。
「初心者のため自信がない、怖くて応募できない、失敗の連続で自信喪失・・・といった仲間の話をよく聞きます。しかし失敗を恐れずにまずトライしてみましょう! お客様のリクエストに一生懸命応えようとするガイドの姿に、お客様は心を動かされます。私も自分へこのように言い聞かせてガイド業に励んでおります。」
IJCEEでは、中山道木曽路ツアーや、高尾山や青梅研修、東京スピーキングハーフマラソンの講師を担当。ハイキングツアーやサイクリング・バイクツーリング、スキーガイド(インストラクター資格保有)も得意とするアウトドア派ガイド。2024年から解禁されたガイド自らが運転してのガイディングも経験済み。日本のアウトドアアクティビティの魅力と、いわゆるゴールデンルートだけではない隠れた名所も海外からのお客様に伝えたいという熱意にあふれている。
~これからガイド実務を始めようとする皆さんへ~
「ご自身の得意分野を一つでも二つでも見つけ、そこで、まず仕事に応募しましょう。そして実績を作りましょう。細かい準備は仕事が決まってからでも遅くありません。誰でも初めての時を経てきています。実践こそが最大の武器です。
先ず1歩を!
それが出来たら、その次の1歩は、最初の1歩の数倍の1歩になると思いますよ。」
新聞記者として活躍の後、通訳案内士へ。アートや建築に詳しく、IJCEEの原宿・根津美術館ウォーキング研修の講師を担当。
「フランス語ガイドの久保谷です。これからガイドをはじめる方、FITをスタートさせたあとそろそろスルーをやってみようかと思っている方など、主に初心者を対象に、私の経験をお話しようと思います。
私の場合、2023年は100日以上、2024年は150日以上ガイドの仕事をしました。日数でみると7割が団体のスルー、3割がFITです。スルーツアーは10人前後の小団体を公共交通で12日間巡るタイプから、大型観光バスによる35-40人の2週間ツアーまで、なんでも受けています。FITだと、富裕層を含め、東京日帰りから数日間の関東圏、京都、広島など。24年はスイス人のご夫婦と3週間、アート、建築、桜を求めて全国を巡りました。
お話しようと思っているのは、以下の事です。
・どうやって最初に仕事を探したのか。仕事は誰がくれるのか。仕事をもらったあとの仕事先との接し方。
・スケジュールをもらったあとに私がしていること。
・普段から私が注意していること。
・私がFITにとどまらずスルーツアーをやり出したのは何故か。スルーとFITの違いは何か。スルーとFITそれぞれの準備と対策は。具体的にどんな準備をしているか。
【FITの場合】
FITで使う交通網。事前の準備。お客さん対応で注意すべきこと。ハイエースなどの運転手さんとの関係で注意すべきこと。FITの難しさと面白さ。
【団体の場合】
スルーツアーではどんな行程が多くガイドは具体的に何を求められているか。事前に準備していること。下見の時に注意していること。どういう風にお客さんと接しているか。迷子対策。団体の難しさと面白さ。団体客をコントロールする時の注意点。バスの運転手さんとの関係で注意していること。ツアー中にかかるお金。絶対にやってはいけないこと。
・FITとスルーともに、お客さんはガイドに何を求めているか。お客さんが不満に思うことは何か。これまでお客さんからどんな要求があって、どう応えてきたか。困ったことは何か。どうやって切り抜けたか。。。などなど。
フランス語圏なので、英語圏に比べると客層が限られるかもしれませんが、少しでも皆さまの参考になれば幸いです」。
関西を拠点に活動するフランス語ガイド。FTM1級の第1期生でもある。
「この講演のご依頼を頂いた際、「私なんかが、あの難関試験を突破された方々のお役に立つようなお話しを出来るわけないやん。(大阪弁)」と思い、お断りするつもりでした。でも、思い直して、「《こんな人でも頑張ればできるなら、絶対自分も出来る!》と、どなたかが一歩踏み出される勇気の足しになれば、それで良いか」「FTMを目指して、これから研修を受けられる方々の踏み台になれれば、それも良いか」と考えたのです。
お仕事をさせて頂きながら、ガイドはお客様の旅行に付き添わせて頂く【総合サービス職】だと実感しました。この2年間に経験させて頂いた中から、いくつかを、FTMの目線でお話しさせて頂ければと思います。」
全国通訳案内士(英語)
大手自動車メーカーの海外部門で勤務し、UCバークレーでMBAを取得後、北米高級車ブランドのマーケティングや外資系部品メーカーでグローバルなビジネス経験を積む。学生時代には120人のグループで歌と踊りをしながら欧米各地を巡り、スーパーボウルXVIのハーフタイムショーにも出演するなど、多彩な国際経験を持つ。
2022年に全国通訳案内士資格を取得後、IJCEEの研修を通じて素晴らしい先輩方とのご縁に恵まれ、2023年にスルーガイドとしてデビュー。初年度で6本のツアーを担当し、短期間でスキルを磨く。2024年は活動を広げ、スルーガイド12本、FITを含む年間170日の稼働を達成。また、TJスクールの質疑演習講座や栃木県外国人おもてなし英会話セミナー(なかがわ水遊園)の講師も担当。
「お世話になった先輩方への感謝も込め、ゼロから始めた垂直立ち上げの経験をお話しできればと思います。」
2023年、全国通訳案内士(中国語)資格取得。2024年には英語通訳案内士二次口述試験を受検し結果待ち。
永らく大手広告会社のマーケティング職として勤務し、2012年~2020年には中国に駐在、現地で日中合弁会社設立、経営してきた経験を持つ。その後、通訳案内士を志して22年に退職。現在は、関西圏で精力的にガイド活動を行う。
「中国語ガイド業務は個人人脈中心にルート開拓し、旅行企画、手配からガイドまでほぼ個人で売り込み、仕事を作り、業務を請け負うというスタイルで行っています。他に兵庫県、大阪市等の行政、財界や企業からの中華系要人のビジネスガイド、アテンド、業務通訳等も実施しており、2024年3月から事業開始して、約90日稼働しました。現在ドライブガイドに注力中で、8人乗りミニバンにて、兵庫県北部や四国、淡路島といったエリアで実証実験含めガイドをしています。
中国語ガイドは、欧米系ガイドとビジネスモデルが異なり、一般的なエージェンシーやガイド団体経由の仕事は殆どありません。また、中国ビジネス特有の苦労も多い一方で、そこには「自分で事業を切り開き育成する」という大きなダイナミズムや市場機会があります。中国人ガイド自体は関係がない方も多いかと思いますが、「通訳案内士事業展開の一手法」としてご参考頂ければ幸いです」。
在日米軍勤務を経て、外国政府機関勤務30年。2016年 東京在住中に、全国通訳案内士(英語)試験に合格し、東京都に登録。
「最初は研修に明け暮れる日々でした。2017年早期退職し、青森県への転居に伴い、青森県で全国通訳案内士の再登録をし、本格的にガイド活動開始。クルーズ船寄港地ガイドの仕事が多いですが、地方ならではの面白い仕事もあります。地方では仕事の見つけ方がちょっと違います。自分でツアーを企画、提案することも可能です。こういったことについてお話ししたいと思います。地方にお住いの方々、全国通訳案内士の資格は持っているけど仕事はしたことがないとか、試験に合格したけど地方でどうやって仕事をみつけたらよいのかと途方に暮れている方もいらっしゃるかと思います。2023年、コロナ禍が開けて急上昇したインバウンド需要。状況がかなり変化してきたと感じています。クルーズ船寄港地ガイド業務については東北を中心にお話しますが、本州最北端の県でどのようにして仕事をしているのか、他の地域在住の方々にもご参考にしていただければ幸いです。」
全国通訳案内士(英語)
国内添乗、海外ツアー企画、手配、添乗のほか、伊豆ガラスと工芸美術館にて副館長を勤めた経験も。2010年から通訳案内士として活動を始め、現在は、スルーツアーを中心に、年間200日稼働するトップガイド。
≪島崎氏からのメッセージ≫
2024年6月に『通訳ガイド美桜の日本へようこそ!』を出版しました。以前『通訳ガイドというおしごと』という通訳ガイドのマニュアル本を書きましたが、『通訳ガイド美桜』はその小説版といえる内容で、新人ガイドが失敗を繰り返しながら成長していく様子を描いています。今回は、この小説の美桜の行動を元に、以下の点を参加者と一緒に考えていきたいと思います。
①美桜の行動や失敗から学ぶ、トラブル対処法
例)電車遅延で集合時間に遅刻し、お客様からクレーム→どうすれば回避できたか
②通訳ガイドの始め方
③通訳ガイドで生計を立てる
参加される方は、事前に本をお読みになると、講演内容をより深く理解していただけるものと思います。Amazonの販売サイト(https://amzn.to/4bR4mSp)
講演者 | 受講料 |
①矢口克己(2024年12月20日 14:00~16:00)会場・Zoom・見逃し |
1,800円 |
②渡辺哲二(2025年1月9日 14:00~16:00)会場・Zoom・見逃し | 1,800円 |
③川名亘子(2025年1月17日 14:00~15:00)Zoom・見逃し | 900円 |
④髙田満彦(2025年1月17日)15:30~16:30)Zoom・見逃し | 900円 |
⑤橋本祐紀典(2025年1月23日 14:00~16:00)Zoom・見逃し |
1,800円 |
⑥久保谷智子(2025年1月29日 14:00~16:00)Zoom・見逃し | 1,800円 |
⑦井口嘉良子(2025年2月1日 14:00~15:00)Zoom・見逃し | 900円 |
⑧鷺坂長歳(2025年2月1日 15:30~16:30)Zoom・見逃し | 900円 |
⑨中井啓祐(2025年2月8日 14:00~15:00)Zoom・見逃し | 900円 |
⑩音喜多晶子(2025年2月8日 15:30~16:30)Zoom・見逃し | 900円 |
⑪島崎秀定(2025年2月13日 14:00~16:00)会場・Zoom・見逃し | 1,800円 |
見逃し配信は、2025年12月31日まで視聴可能です。
すべての講演は、Zoomによるライブ受講+見逃し配信をいたします。
ただし、全11名の講演のうち、
① 12月20日 矢口克己さん
② 1月8日 渡辺哲二さん
⑪ 2月13日 島崎秀定さん
以上3名の講演は、Zoomによるライブ配信のほか、東京会場でも実施します。
会場の定員は20名です。
会場受講の方、Zoom受講の方、いずれにも見逃し配信をいたします。
1. 「カートに追加」で、受講券をお求めください。
2. 画面上部にカートの内容が掲載されますので手続を進めてください。
3. 決済はクレジットカードまたは銀行振込をお選びいただけます。銀行振り込みをお望みの方は、受講券確保後、下記の口座にお振込みください。
※銀行振込みの際の手数料はお申し込み者ご自身のご負担となり、研修が中止となった場合も、受講料お振込み時にかかった手数料は返金対象外となります点、ご了承ください。
みずほ銀行 丸の内中央支店(004) 普通預金 1131101
トクヒ)ニホンブンカタイケンコウリュウジュク
※Paypalでのお支払い時に不具合が発生しましたら、Paypalへお問い合わせください。
2022年以前より継続してIJCEEに会員登録されている会員様は、在籍年数により長期優待をご利用いただけます。
☆ご注意☆
2025年長期優待の適用となります(2025年年会費のご納入が必要です)
☆優待適用可否、適用可能金額はこちらでご確認ください。
ウェブ上でお申込みが完了しましたら、注文完了メールが必ず届きます。注文完了メールは受講完了日まで大切に保管してください。メールが届いていない場合は、お申込みが適正に完了できていない可能性がございますので、事務局(03-6432-0192)までご連絡ください。
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