先達ガイド研修：鉄道研修（座学・鉄道博物館視察）

　普段、何げなく乗っている鉄道。もし、我が国に鉄道が無かったらと考えたことはありますか？

　日本の鉄道は1872年に鉄道発祥の国イギリスの技術により新橋～横浜間で、その一歩を歩み（走り）始めました。当初は宿場町が衰退するなどの理由で避けられたこともあった鉄道ですが、やがて街や地域の発展には欠かせないとして我田引水ならぬ「我田引鉄」という言葉すらでき、我が国は鉄道網の拡大とともに発展してきました。太平洋戦争の敗戦により失いかけた日本人の自信を取り戻し、世界をアッと言わせたSHINKANSENは、欧米諸国における鉄道衰退の流れを止めました。

　鉄道開業から146年、海外とはひと味違う日本の鉄道、ちょっとマニアックな鉄道技術、それから今まで鉄道にあまりご興味の無かった方々に、鉄道とは何ぞやという基礎知識から鉄道に関するトリビアなどを面白く楽しくご紹介します。

　ラッシュアワーにおける満員電車の光景は海外の教科書に紹介されていると聞きます。そのため、日本に来たらチャレンジ精神を持って満員電車に乗ってみる！という海外からのお客様も居られましょう。ぜひ、お客様には「この満員電車が安全に正確に運行されることにより、大都会東京が発展してきたんだよ！」とご案内して下さい。

　そして、2007年10月14日の「鉄道の日」にオープンした鉄道博物館（通称てっぱく：さいたま市大宮区）は鉄ちゃん、鉄子さん、小鉄ちゃんそしてママ鉄の方々をはじめ多くの来訪客で連日にぎわっています。そのてっぱくに、昨年7月新館（南館）が付け加わり、さらにパワーアップしました。

　鉄道発祥国のイギリスにあるNational Railway Museumでは本国以外の列車で唯一展示されているのが０系新幹線電車だそうです。また、台湾新幹線をはじめ、海外で多くの日本製車両が走っています。新館がオープンしたというこの機会に鉄道の街大宮まで来て日本の鉄道の魅力をじかに知って頂き、海外からのお客様にお伝えしましょう。

集合時間：14時

集合場所：大宮駅ニューシャトル改札前

※右の大宮駅構内図の右上です。

◆トーマス（土井俊雄氏）

IJCEE会員。2016年通訳案内士（英語）資格取得。

３歳の頃、祖父に連れられ蒸気機関車による貨車の入れ替え作業を観たのをきっかけに鉄道ファンになる。小学校の図書館にあった鉄道に関する書物はことごとく読破、伊藤博文より先に、同じく長州ファイブのひとりで鉄道の父と称される井上(いのうえ)勝(まさる)（東京駅丸ノ内の駅前広場に銅像があります：プロフィール写真）の名前を覚えた。その頃の将来の夢は「大きな駅の駅長」とちょっと生意気。

その後、地図や天文などに興味を持ち、大学では地学（地球科学）を専攻、就職も地質調査会社に勤めるものの、そこで地下鉄に関する仕事に取り組み、がぜん、鉄道への熱が再燃、鉄道関連の会社に移る。そこでは「見ると幸せになれる！？黄色い新幹線ドクターイエロー」に乗れるはずと思ったのだが、実際には線路の上で、スピードアップ、環境対策、省力化などを目的とした様々な測定を担当。

ふとしたことで通訳案内士を目指すことになったが、難関の通訳案内士試験の面接のプレゼンで、「日本の蒸気機関車」というお題を引き当てるほどの幸運の持ち主。大先輩方のまねをして、ガイドになった暁には海外からのお客様に覚えやすい英語のニックネームを付けよう、で合格に導いてくれた蒸気機関車への感謝の気持ちを込めて、「トーマス」と名乗っている。