波多野先生の「日本建築史」、原田先生の「食文化の歴史」に続く、通訳案内士の必須研修シリーズの第3弾です。
大仏殿は、大仏を収納するための建物です。
寝殿造りの建物は、今はありませんが、その様子を描いた絵巻物は現存します。
書院づくりにはじまる襖は、障壁画を生みました。
建物の歴史と同じ、またはそれ以上に日本文化を視覚的に表現するものは、美術品であり、工芸品であります。
しかし、美術・工芸の膨大な体系を説明できる方は、我が国でも限られています。
江戸東京博物館の元教授で名誉研究員である小澤弘さんは、日本の浮世絵研究の第一人者です。
浮世絵は、絵画・美術としての性格と、大衆工芸品という二つの性格を持っています。
美術の系譜と工芸の系譜を合わせて研究してきた小澤先生ならではの分野です。
小澤弘先生の講義を、全10回でお届けします。理事長 米原亮三
【動画】第2回講義「飛鳥・白鳳期の美術工芸 仏教伝来と寺院の荘厳」より ダイジェスト
第2回講義では飛鳥期の美術工芸を深く掘り下げました。仏教の伝来にともない、どのように仏教美術が発展してきたのか、その潮流を解説するとともに、金堂釈迦三尊像 百済観音 玉虫厨子 橘夫人厨子 壁画四仏浄土変 など、法隆寺や中宮寺、飛鳥寺にまつわる国宝級の美術工芸を取り上げています。
第3回以降も、奈良、平安、鎌倉、室町、安土桃山、、、と時代を追って美術工芸の変遷をたどりつつ、その時代その時代の代表的な作品を詳解していきます。日本美術を語る上で欠かせない知識を得られる講座です。
日本を訪れる人たちの関心事は、富士山などの風景や法隆寺などの古建築、各地の名所や温泉、和食やその器などのほか、とくに日本の美しく繊細な技巧が凝らされた美術・工芸品にある。
真っ先に思い浮かぶのは、世界に知られた美術品である北斎や広重の浮世絵だろう。
しかし、これだけではない。そこに至る系譜を理解することで、日本人とは、日本文化とは何かという問題を考えることができる。受講者の皆様は、波多野純氏の建築史を学んできた方もおられると思う。私の講義では、建築の中にあって、建築と人をより結びつけるものについて、お話ししよう。
まず、法隆寺と飛鳥美術、奈良の大仏、正倉院の御物、浄土教と定朝の阿弥陀仏、運慶のリアルな仏像は、世界の彫刻作品のなかで、日本独自の世界を作り上げている。
禅宗寺院の石庭と禅宗美術、唐物と飾次第、茶の湯と道具、生花と香の道具は、中国の禅宗の影響を受けつつも日本独自の発展を遂げた。
安土・桃山時代は、宣教師をはじめ、西欧文明との交流を経て構築された。狩野派と金碧障壁画、高台寺の蒔絵、能面と能装束、刀剣と刀装、甲冑と武具、煙草道具と根付、小袖と浴衣の意匠、櫛・簪・笄、諸国の陶磁器や和紙・木・漆・金属の工芸品などは、在外の美術コレクターたちが好んで蒐集し、また興味が尽きないものである。
ここに列挙した美術・工芸品は、ごく一部の紹介にすぎない。これらの美術・工芸には担い手があり、利用者がいた。
そうした社会関係全体を理解して、初めて美術・工芸の良さもわかる。これらの特色を知ることで、諸外国の方々に深い日本文化の知識を提供できたなら、きっと彼らを新たな文化体験へ誘うことができるだろう。
本講座では、日本の美術工芸について、原始古代から近現代に到る過程と、その分野、文化や技術の特徴を、美術工芸品のしつらえられた環境に立脚しながら、その特徴と魅力に迫る。
美術工芸品とは、はじめは神々や王のための象徴として、特別な技術をもった職人が貴重な原材料を加工して創り上げたものだった。大陸からの仏教伝来とともに、荘厳な仏教美術が移入されたが、その後、和様という独自の展開を遂げる。時代ごとに新たに展開した美術工芸品にスポットを当てながら、その分野の歴史的変遷についても触れたい。
(小澤弘・東京都江戸東京博物館名誉研究員・淑徳大学人文学部客員教授)
2022年10月6日開講
(以降の実施日は下記スケジュール欄参照)
毎回木曜日 14:00-16:00
催行決定日 9月29日
・Zoom
・見逃し配信 有
・見逃し配信期間 5カ月間
(下記・見逃し配信スケジュール表を参照)
【第1回授業】
会員:2,500円 一般:3,200円
フレンドシップ団体・TJスクール生:2,800円
【10回一括】
会員:20,000円 一般:25,000円
フレンドシップ団体・TJスクール生:22,500円(フレンドシップ団体の方は、お申し込みの際、所属の団体名をメモ欄にご記入ください)
・事前配布
-授業前に資料をメール等で送ります。
日程 | 時間 | トピック |
第1回 10月6日(木) |
14:00~16:00 |
日本の美術工芸とは?神々と王のための技術 |
第2回 10月20日(木) |
14:00~16:00 |
飛鳥・白鳳期の美術工芸 仏教伝来と寺院の荘厳 |
第3回 11月17日(木) |
14:00~16:00 | 奈良朝の美術工芸 鎮護国家仏教と天平の美 |
第4回 12月1日(木) |
14:00~16:00 |
平安時代の美術工芸 王朝文化と和様の美 |
第5回 12月15日(木) |
14:00~16:00 |
鎌倉・南北朝・室町時代の美術工芸(1)禅と茶と写実の美 |
第6回 1月12日(木) |
14:00~16:00 |
室町時代の美術工芸(2) |
第7回 1月26日(木) |
14:00~16:00 |
安土・桃山の美術工芸 戦国乱世と覇者の時代 |
第8回 2月9日(木) |
14:00~16:00 | 江戸時代の美術工芸(1) 将軍家御用職人とモノづくり |
第9回 3月2日(木) |
14:00~16:00 |
江戸時代の美術工芸(2) 文化の大衆化 印刷文化-錦絵(多色摺木版画)・絵本・往来物 |
第10回 |
14:00~16:00 |
近代の美術工芸 明治維新と殖産興業 大正のモダニズムと民藝運動 |
※見逃し配信は原則、講義の翌週木曜日に開始します。
※配信開始から5か月後まで視聴可能です。
会場・Zoom授業 実施日 |
見逃し配信開始日 |
配信停止日 |
第1回 2022年10月6日(木) |
2022年10月13日(木) |
2023年3月13日(月) |
第2回 2022年10月20日(木) | 2022年10月27日(木) | 2023年3月27日(月) |
第3回 2022年11月17日(木) | 2022年11月24日(木) | 2023年4月24日(月) |
第4回 2022年12月1日(木) | 2022年12月8日(木) | 2023年5月8日(月) |
第5回 2022年12月15日(木) | 2022年12月22日(木) | 2023年5月22日(月) |
第6回 2022年1月12日(木) | 2022年1月19日(木) | 2023年6月19日(月) |
第7回 2023年1月26日(木) | 2023年2月2日(木) | 2023年7月2日(月) |
第8回 2023年2月9日(木) | 2023年2月16日(木) | 2023年7月16日(日) |
第9回 2023年3月2日(木) | 2023年3月9日(木) | 2023年8月9日(水) |
第10回 2023年3月16日(木) | 2023年3月23日(木) | 2023年8月23日(水) |
1947年生まれ。調布学園女子短期大学教授を経て、2014年3月まで江戸東京博物館都市歴史研究室長・教授として調査研究事業を推進した。
東京都伝統工芸品産業振興協議会会長、東京国立博物館協力会評議員、国立科学博物館外部評価委員、国際浮世絵学会常任理事などを務める。
専門は日本芸術文化史。都市風俗図や浮世絵、大名文化人などの研究を行う。タイ・バンコクの「日本のデザイン遺伝子展」、モナコの「京都—東京〜サムライからマンガまで展」の共同監修者、ボストン美術館浮世絵の国際調査メンバーなど、内外の美術作品や文化史資料の調査研究も行う。
著書に『都市図の系譜と江戸』など、共編著に『日本庶民生活史料集成第30巻─諸職風俗図絵─』『図説 江戸図屏風をよむ』『ビジュアルワイド江戸時代館』など、共著に『「熈代勝覧」の日本橋』『江戸のかたち』“The Kidai-Shōran Scroll”(JAPAN LIBRARY)ほか多数。
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トクヒ)ニホンブンカタイケンコウリュウジュク
第1回目授業のみ、会場での受講が可能です。希望される方は、①または②、または③のカートに加えて、こちらからお申込ください。加算料金はありません。
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