質 問 |
回 答 |
質問1 「認定は、「プレミア・ガイド★★★、★★、★、1級、2級等」の5段階です。受講者全員に、それぞれの認定証を付与します。」とありますが、受講生のうち、このような評価を受ける、それぞれの割合を教えてください。 |
回答1 難しい質問です。実は、それぞれの割合は決まっていません。当交流塾の理事長とGICSSの理事長、そして、評価委員の旅行会社8社やホテルコンシェルジュの皆さんで決めることになります。 基準は、その方を実際にガイドとして派遣するか、否かです。 一見厳しいようですが、この基準で評価されると、評価された方は、素晴らしい名誉となることは、間違いないと思います。また、1級認定の方は、True Japan Tour 株式会社がスルーガイドとして、派遣するレベルです。また、2級認定も、1日観光なら派遣できるレベルです。 いずれの評価も、True Japan Tour 株式会社の実際のアサインにおいて、考慮されます。
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質問2 3月から、4月において受講が集中して、その後認定試験が来年となっているようですが、これは、研修受講の後に、その間に各々が研鑽を積む時間を頂いていると理解して宜しいのでしょうか? |
回答2 お見込みのとおりです。 来年の2月まで、しっかり勉強していただくことが前提になっています。 また、4月末までに、夏の発表課題を確定します。 その後、5月から8月の3か月をかけて、10分間のスピーチを作ります。 8月、発表会で多くの方の発表を聞いて、何を勉強すべきかを理解します。 10月頃は、新型コロナウイルス感染症の動向を踏まえ、受講対象となっているガイドは、仕事が入ってきます。 ですから、試験は、来年2月となります。 最後は、交流会を兼ねますので、もっとも多くの方が参加できる日程としています。 なお、授業の録画教材は、来年以降まで、有効期限とさせていただきますので、何度も復習していただくことができます。
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質問3 プログラムの中に課題発表を英語で行うとの記載ありましたが(一方、他言語の ガイドはどうするのか記述がありませんでしたが)、本件はそもそも英語のガイドが対象のプログラムなのでしょうか?
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回答3 英語ガイドの方が多数を占めていると思うので、大半は英語で行います。 8月のプレゼンテーションにおいては、多言語の方は、日本語で発表します。 最後のテストは、希望の言語で実施します。
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質問4 8月10日から12日のプレゼーテーション演習がどうしても受講できない。なんとかならないか?
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回答4 プレゼンテーション研修は、必須科目ではありますが、今回の受講者は、活躍している通訳案内士です。 別途、zoom等による補修プログラムを実施したいと思います。 |
質問5 上質ガイド育成に関して、ノットワールド+観光庁等、同じような研修があるが、IJCEEのものは、決定的に何が違うのか、何をゴールとしているのか? |
回答5 ある会員の方から、伺った「ノットワールド+観光庁」に関するレポートに基づいて、以下のとおり、お答えします。
第1に、ノットワールドの研修は、3月末までに、富裕層に対応するためには、何が必要かを知ってもらう研修のようです。 当交流塾のプレミア・ガイドプログラムは、来年2月までの14日間の長期的な研修です。この間、以下のように、自主的な調査や研究の期間を十分に取っています。「何が必要かを知ったあと、どのように解決するかを指導するプログラムです。」
第2に、知識力の育成です。 日本人のガイドは、「事実と事実をつなぐストーリー展開が出来ない」とか、「ウィット」がないとか言われますが、これはテクニックだけではありません。海外との比較での日本文化ということを知らないと、「外国人に興味ある」話はできません。ノットワールドの研修では、「ガイド仲間で得意分野を分担しておくと良い。」と言われたそうです。 しかし、ガイド自身のリサーチ能力はそれほど高くはありません。 プレミア・ガイド・プログラムでは、まず、日本の第一人者に話を聞くとともに、課題図書を推薦していただきます。しかるのちに、外国人富裕層に対応するために、どのような知識が必要かを通訳案内士の講師(コーディネータ)が、受講生のディスカッションを踏まえつつ、論点を整理します。 その主要な論点を踏まえて、受講生が勉強し、8月にプレゼンテーションをおこないます。また、この発表の場では、類似のテーマを関連して発表することで、様々な調査・研究・パフォーマンスの交流を図ります。
第3に、プレミア・ガイドにふさわしいパフォーマンスを身につける研修です。富裕層にとって、プレミア・ガイドは、一緒にいたい雰囲気、違和感のない雰囲気、快適な雰囲気を作ることが不可欠です。 ランデル洋子氏のアレンジで、話術/顧客ニーズ/客の求めるガイド像/服装/身のこなし、マナー、話し方/国際儀礼プロトコール/外交視点からみた接遇の心得等のプログラムを実施します。 この分野でも、まず、専門家から基礎知識を学び、その後、自分のものとしていく時間が必要と考えております。
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質問6 5段階のバッチは、何に対して効力を発揮するのか? |
回答6 出口戦略です。 評価委員としては、以下の各社に働きかける予定です。 JTB、日本旅行、近畿日本ツーリスト、阪急交通社、エキゾトラベル、ディステイションアジア、Gアドベンチャー、グランドサークルその他の旅行会社や一流ホテルのコンシェルジュ等です。いずれも、当社と業務上のお付き合いある会社です。 富裕層のためのガイドを必要とする会社です。これらの会社の中核的な人たちにに評価委員として、参加していただくことにより、制度の周知を図り、ガイド派遣の基準として、役立てます。
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質問7 Zoom, E-ラーニング、座学の振り替えは可能か?
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回答7 Zoom, E-ラーニング、座学の振り替えは可能です。受講者は、出席していても、何度でも録画された授業を閲覧することができます。 |
質問8 今回育成された上質ガイドが実際に就業機会を得るには、 一つのパイを取り合う形になると思うが、どのような戦略を考えているか? |
回答8 富裕層のマーケットは、潜在的に大きいと思います。ホテルのコンシェルジュのお話しでは、本当に良いガイドであれば、10万円を支払っても良いと思う客はかなりいると思われます。 しかし、これまでは、ホテルのコンシェルジュとして、そのガイドに本当の力があるか、どうかわからなかったのです。 現在、牛肉や果物の等級制がはっきりできています。 出来ているから、100グラム2000円の牛肉でも売れます。 1個5000円のメロンでも売れます。 これまでは、ガイドに対する客観的な評価がなかったので、富裕層ガイドの市場も存在しなかったのです。 私たちは、キチンとした評価システムは、富裕層ガイドのニーズを拡大すると考えています。
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質問 9 「第8日、第9日 プレミア・ガイドにふさわしいパフォーマンスを身につける研修」 は、ガイドに求められる服装・身だしなみなど、女性中心のプログラムのように感じられますが、男性への配慮はどうなっていますか? |
回答9 服装やスタイル、話し方などは、富裕層のガイドにおいては、男性にとっても不可欠の要素だとおもいます。観光庁研修で、講師の1級や2級の認定を行いましたが、「服装やスタイル、話し方」などで、評価を下げた方が少なからずいます。語学力や知識も大切ですが、第一印象の良し悪しは、プレミア・ガイドの成否に大きく作用します。それだけでなく、日常のガイディングでも、「服装やスタイル、話し方」などで、知らず知らず損をしている方が多くいます。本プログラムでは、その点も考慮して、「男性ガイド向けヘア・スキンケア」などの時間も予定しています。 専門家から、一度、スタイルチェックをしてもらうのも貴重な体験・財産になると思います。
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質問10 「第10日、11日、12日. プレミア・ガイド・メンバー」(PGM)プレゼンテーション演習」は、どのように実施するのですか。
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回答10 富裕層をガイドするあたり、直面するプレゼンテーションを模擬的に実施します。研修生の自主性を尊重するため、研修生自身が自らテーマを設定します。 プレゼンテーションでは、目前に外国人富裕層をいると想定して、お話ししていただきます。以下のようなスピーチが高く評価されます。 ・外国人が不思議だと思っていることをわかりやすく説明するプレゼンテーション。 ・日本の街角、建物、風景等を素材に、日本の魅力を伝えて、日本が好きになるようなプレゼンテーション。 ・エピソードや逸話などが盛り込まれ、引き込まれるようなストーリーテラー ・楽しく、華のあるエンターティメント性の高いプレゼンテーション ・外国との比較がよく配慮されていいて、日本人や日本の事柄がよく理解できるプレゼンテーション ・原爆投下・靖国神社・真珠湾攻撃など、通常は避けたくなるテーマであっても、お客様とガイドに共感がもてるようなプレゼンテーション
以上のようなスピーチを①日本の宗教、②舞台芸術、③美術工芸、④産業・社会家庭・暮らし、⑤日本の歴史、⑥.米と和食の文化史、⑦日本建築の歴史に関連したテーマに加え、 ⑧あなたがお連れしたいと思う地域のご案内などの分類により、関連テーマごとにプレゼンテーションしていただきます。 全部で3日間あるので、午前中1コマ、午後2コマとし、3日間で9コマあります。 各コマは、2時間半程度で、4~5人位がプレゼンテーションをします。受講者がこのプレゼンテーションを評価します。この評価点も、最終評価の一つとして、考慮されます。 なお、当日どうしても出席できない方は、事前に収録し録画により、プレゼンテーションを行っていただく予定です。
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問11 新型コロナウイルス感染症により、ガイド収入が全くないので、10万円の受講料を今すぐ支払うのは、難しいです。特例はありませんか? |
回答11 受講料の入金は、受講決定後、3月21日までに、ご入金をお願いする予定です。納入方法は、ホームページに別途掲載したいとおもっています。しかしながら、ご質問のように、新型コロナウイルス感染症により、ガイド収入が全くない現状は深刻なものです。お申し出のあった者に方には、特例として、2022年1月末日まで、納入を猶予する制度も検討していきたいとおもいます。
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問12 富裕層は、教育レベルが高く、幅広い興味をお持ちであるなどと講師陣よりコメントされていますが、拝金主義的偏見ではないでしょうか。 それは裏を返せば、富裕層でない人は、教育レベルが低く、興味の範囲が狭く、知的水準が低いと言っているのと同じことであり、資産や収入、社会的身分による差別です。. 富裕層であれ非富裕層であれ、お客様には偏見や差別なく、敬意をもって接するべきではありませんか。
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回答12 富裕層が全員知的レベルが高いかというとそうではありません。 ただ、この20年ほど、世界のスーパーリッチな階層の方で、親の財産や政府の支援でなく、自らの知的能力とそれに加え、努力によって富を得ている階層が増加しています。 これについては、多くの論文等があります。 そうした階層に対する対応力の強化が目的です。 また、この対応力のなかには、相手の気持ちを汲み取る、理解する力も含まれています。 「相手を見下した考えを持ちながらガイディングをする」ような方が、プレミア・ガイドを選考する大勢の評価のなかで上位にくることはありません。 私は、トップクラスのお客様に対応できるガイドを多く知っていますが、皆さん、大変思いやりもあり、礼節を心掛けた方です。 プレミア・ガイドは、富裕層はもとより、様々な人に対応できる人です。マラソンで2時間10分で走れる人は、3時間で走る人と同行してランニングできますが、逆はできないとおもいます。 要するいかなる方にも、柔軟に対応できる人がプレミア・ガイドであり、そうした方を育成するのが本プログラムであると思います。 |
テーマ |
講師の考え方 |
富裕層ガイドが何故必要か、 また、富裕層に聞かれて困る質問はどのようなものか? |
◎村上堅治氏の考え ・富裕層の方をご案内していますと、「そうした点に興味があるのか」 と教えられ、自分の研鑽の励みになります。
例えば、「日本人は終戦直後にアメリカに対してどう思っていたのか?」、 「戦後から今までの日本経済の動きを簡単に説明して」、 「戦後天皇制廃止の議論はなかったのか?なぜ維持されたのか?」 などを聞いてきます。 こうした点は常日頃から興味をもって本などを読んでおかないと簡単には答えられないタフな質問です。 今回のプレミア・ガイド制度は、幅広い教養と視点を広く保つ動機付けですので共感しました。結局は自分のためと思っています。お客様からの質問に答えられかどうかは、その後の結果です。 |
◎黒石陽子氏の考え 今、大きな上げ下げが注目されるビットコイン、日経平均三万円越えなどのニュースを見ると、行く当てのないお金がどれだけ大きいかを示しています。 自由に海外に旅行できたら消費されたであろうお金は、一年以上行先を失ってこの実態のない経済の一部高揚現象に含まれています。 国交が解除されると、プライベートジェットを持つようなお客様がまず戻って 来られます。この方たち、いわゆるハイブローの方々は、充実した日本滞在を実現してくれるガイドを雇います。ガイドは常にアップデートしていく。これがプロフェッショナルの基本姿勢方針です。 富裕層に聞かれて困る質問は、自分の守備範囲の質問、興味、知識や意識の範囲にある質問です。困る質問だらけです。 |
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◎池津敦子氏の考え アフターコロナの世界では、交通・宿泊などあらゆる面で密を避けるため、旅行単価が高くなることが予想されます。そのため、最初に旅行を始めるのは富裕層の方々であると思われます。富裕層の方々は教育レベルも高く、幅広い興味をお持ちであるため、お客様をご案内するガイドも、お客様の様々な興味にご対応できる教養と知識を常にブラッシュアップしていなければなりません。そのためのペース作りとして、同様の意識を持つガイドが集う今回の研修はまたとない機会だと思います。
これまでに私が聞かれて自信をもってお答えすることができなかった例のうち、歴史に関するものとしては、 * 日本人はどこからきたのか、など、起源に関すること * 将軍は絶対的な力を持っていたのに、なぜ天皇を滅ぼさなかったのか * 日本はなぜ真珠湾攻撃を行ったのか * ヒロシマのあと、日本人はアメリカ人をどう思っているのか * 日本と中国との関係について 今回のプレミア・ガイド制度は、幅広い教養と意識を高める自発的な啓発コースだと私は思います。 教えられるものではなく、自分で探求していく制度だと思います。課題図書の内、「ビジネスZEN入門」は読みました。目に鱗の部分が多くありました。 これから「和食とはなにか」を読みます。きっと新しい発見があるはずです。
こうして一つ一つ、一緒に学び、意見交換しようではありませんか。皆様の意欲的なご参加をお待ちしております。
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1923年、関東大震災後打ちひしがれた日本にやって来て、聖路加国際病院の創立に貢献し、また、寒冷地で稲作には向かないという山梨県の清里高原に酪農などの手段でその開拓を支援し、その一方で、アメリカンフットボールの普及に努めたアメリカ人ポール・ラッシュは、「最善を尽くせ、しかも一流であれ」"Do your best and it must be first class” という言葉を残しました。現在、このような困難に直面している時だからこそ、この言葉を実践したいと思うのです。
長いガイド生活の中で、私も、知性も教養もあるお客様から、『日本人は何処から来たのか?』『日本は中国の一部だったのか?』から、『日本はロシア領だろう?』という質問をいただきました。これは、中国と日本の古い朝貢関係、また、ドイツがソ連との不可侵条約を結びながら、ソ連に侵攻した歴史的背景、さらには、近世・現代の停戦協定・停戦条約に対する各国の理解と、また、それをどのように各国が教えてきたかという事にも関わってくるでしょう。これらのお客様は、必ず最後に『日本ではどう教えているのか?』と真剣な質問をしてくださいます。
『フランスの哲学者コントの利他主義 altruismと仏教の利他はどう違う?』から始まったご質問は、『日本人は優れた個々の知性と感性を社会のために制度化するのがうまくないのではないか?どうして?』という風に発展していきます。お客様のご質問に応えるには、
深くて、縦横無尽な知識と感性が必要なのだとひしひしと思います。
私達一人では、満足のいくお答えができないこのような深い質問に対して、各界の優れた先生方が、ヒントの道筋を示してくださるでしょう。そして、この研修に参加した仲間との真剣な討論を通して、決して一人では立ち向かえないこれらのご質問に、誠実に向き合う事ができるのだと存じます。中には、正解がないもの、正解が複数あるものもありますし、ガイドと知的な討論をしたいお客様もたくさんいらっしゃるのです。
私は、『舞台芸術』の一日を担当させていただきます。狂言師・野村萬斎氏が、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーで一年間学んだ間に苦悩した『型の演劇と言葉の演劇』の
ギャップから、『言葉で語る』事を皆様と考え直す事ができれば、と思っております。