宇治・平等院・宇治上神社・源氏物語ミュージアム　9/15　9/17

 　日本の通貨のモデルとなっている建築物は、唯一平等院です。10円に鳳凰堂がデザインされていますが、1万円札にも、鳳凰がデザインされています。

　また、平安時代の貴族の生活を描いた世界最初の女流小説「源氏物語」の舞台も宇治です。　さらに、日本最古の本殿のある宇治上神社。

　木造建築が主体の日本では、平安時代の遺構は極めてまれです。京都市内は、応仁の乱を始め、何度も戦火にあっています。京都から離れ、また京都の奥座敷とも言える宇治だからこそ、建築、彫刻、文化に貴重な歴史が残されています。

　京都市内がオーバーツーリズムとなっている今日、豊かな自然の残された宇治は、インテリジェンスの高い訪日外国人必見の場所と言えるでしょう。

11世紀、藤原道長は、「この世をば　わが世とぞ思ふ　望月の虧（かけ）たることも　なしと思へば」と歌いました。

　11歳の天皇の後見人であり、摂政であり、最高権力者だからこその自慢の歌と感じます。

しかしその権力者にあっても、来世が怖くて阿弥陀仏にすがったという。

　その道長から息子の藤原頼道が別荘を譲り受け、改修して創建したのが、平等院です。鳳凰堂は「地上に出現した極楽浄土」とまで言われる平安時代最高の建築物です。

　建築にとどまらず、国宝・世界遺産が立ち並びます。

定朝作の阿弥陀如来像は、日本独自の技法、寄木造りであり、容姿も、道長に似て、表情も日本的です

　雲中供養菩薩像、1万円札のモデルである鳳凰、梵鐘もすべて、国宝です。

　鳳凰堂の前に広がる浄土式庭園も、歴史教科書に必ず載ってている。ミュージアムも含め、通訳案内士なら、絶対に抑えておくポイントが満載と言えるでしょう。

紫式部の全編54帖のうち44帖までは、光源氏を主人公に京都の宮廷での恋愛模様を描いています。それに対して、最後の十帖は光源氏の子薫君と孫の匂宮の二人の男性と、大君、中君、浮舟の三人の姫君が織りなします。その主要な舞台が、宮廷から17キロ離れた宇治です。京都の奥座敷とも言える宇治川こそ、悲恋の物語が展開します。

源氏物語ミュージアムから、少し足をのばそう。もう一つの世界遺産の建築がある。

神社建築では、日本最古の本殿である宇治上神社が鎮座する。

拝殿（国宝）は、鎌倉時代前期に伐採された桧が使用されており、鎌倉時代の優れた建物遺構。本殿（国宝）は平安時代後期に伐採された木材が使われて、一間社流造りの三殿からなる。左右の社殿が大きく中央の社殿が小さい。

　宇治のもう一つの魅力は、日本茶。茶問屋が立ちならぶ、商店街が魅力的である。これに加えて、

最近完成したお茶と宇治のまち交流館「茶づな」にも寄ってみましょう。宇治茶のミュージアムや、お茶スィーツ、復元された太閤堤などがあり、学び楽しめるだけではなく、休憩や時間調整にも便利な場所です。

英語・全国通訳案内士

日本折紙協会認定 折紙講師

同志社大アメリカ研究修士

ケンブリッジ英検FCE　国連英検特A級

VIP など主にFIT通訳ガイド。各種通訳ガイド研修・カルチャーセンターで講師を務める。また、兵庫・京都・奈良等で外国人対象に折り紙・風呂敷体験を実施。この数年、IJCEEのウォーキング研修では、京都・祇園コースなどを担当し、丁寧な指導で好評を得ている。

「宇治までは、京都駅からわずか16分。落ち着いた街並みにお茶を煎る香りも。平等院に行くまでの参道では、地元で人気のおすすめスポットもお伝えしたいと思います。外国のお客様にも抹茶スィーツはとても喜ばれています。（上原真知子）」