IJCEEは私の取材先のひとつで、日本文化体験ができる団体の紹介記事を書くという英文雑誌のお仕事でした。設立まだ1年目で、会員がやっと100名という頃でした。お電話をすると米原理事長が出て、「自宅でやっているので一度見に来て下さい」と気さくにおっしゃいます。取材ではその規模の小ささと話の大きさに驚きましたが、これはおもしろいと私もすぐ会員になりました。
事務所はその後場所を変え、訪ねるたびに人が増え、規模が大きくなります。事務所にいる方も、会員も、みな日本文化発信の担い手です。集えば話題は尽きず、楽しく仕事をしているようでも毎回が真剣勝負。その姿勢には学ぶところがたくさんあります。そして理事長の「着付け教室を開こう」のひと言で、着物の着方が学べる講座を開くことになりました。
この柔軟さがIJCEEの持ち味だと思います。呼びかけに集まった才能豊かな人たちと、創意工夫をこらした着物講座を作りました。仕事でも着用できるよう、手持ちの着物を活かし、短時間で着られ、動き回っても崩れない着付けです。覚えやすいよう、歌って踊りながら帯の締め方を教えます。しかつめらしい他の仕事の場では絶対に見せられない私の姿ですが、IJCEEなら笑いながら受け入れてくれる、そんな雰囲気があると思います。(そしてなんとDVDになって販売までされています。)
この着付け講座ももう5期目を迎え、着物で仕事をする方が増えたのは嬉しいかぎりです。着物を着ていれば、外国のお客様との会話も弾みます。ガイドをしていて、他のグループのお客さんからも注目の的だったなんていう話もよく聞きます。何より体型が隠れて年齢不詳になれるのが、着物のいいところなのです。着物をふわりとからだにまとい、帯をきゅっと結びましょう。身も心も締まって、気持ちは和装美人です。そんなきっかけ作りをする、IJCEEオリジナルの着物講座の開発と運営に関われて、本当によかったと思っています。