旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版) JATA

日本旅行業協会 /全国旅行業協会                             2020 年5月14日

2020_旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版.pdf
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1 本ガイドラインについて 主要部分を紹介します

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」( 2020 年 5 月 4 日)においては、「今後、感染拡大 の予防と社会経済活動の両立を図っていくに当たっては、特に事業者において提供するサービスの場面ごとに具体的な感染予防を検討し、実践す
ることが必要になる。社会にはさまざまな業種等が存在し、感染リスクはそれぞれ異なることから、業界団体等が主体となり、また、同業種だけでなく他業種の好事例等の共有なども含め業種ごとに感染拡大を予防するガイドライン等を作成し、業界をあげてこれを普及し、現場において、試行錯誤をしながら、また創意工夫をしながら実践していただくことを強く求めたい。」とされたところである。
 これを受け、同専門家会議の提言の中にある「各業種のガイドライン等の作成に当たって求められる基本的な考え方や留意点の例」等に留意しながら、新型コロナウイルス感染症の終息までの、旅行業における当面の対策をとりまとめたところである。
 なお、新型コロナウイルスの最新の知見、お客様のご要望、事業者側の受け入れ体制等を踏まえて、本ガイドラインは随時見直すこととする。

2  具体的な対策の検討にあたっての考え方

 同専門家会議の提言にしたがって、対策の検討にあたっては、以下の点に留意した。

・新型コロナウイルス感染症の主な感染経路である接触感染と飛沫感染のそれぞれについて、従業員や顧客等の動線や接触等を考慮したリスク評価を行い、そのリスクに応じた対策を検討。

・接触感染のリスク評価としては、他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所と頻度を特定する。高頻度接触部位(旅行会社店舗内の家具・備品類、接客カウンター・テーブル、パンフレットスタンド、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイッチ、タッチパネル、レジ、手すり、エレベーターのボタン、自動販売機など)には特に注意。

・飛沫感染のリスク評価としては、換気の状況を考慮しつつ、旅行会社店舗内や旅行中に人と人との距離がどの程度維持できるかや、施設内で大声などを出す場がどこにあるかなどを評価。

3  具体的な感染防止対策

 

(1)留意すべき基本原則と各場面の共通事項

留意すべき基本原則

・従業員とお客様及びお客様同士との接触をできるだけ避け、対人距離を確保

(できるだけ2mを目安に)する。

・感染防止のための来店人数の調整(店頭での旅行販売・相談業務、旅行申し込み手続き時等に密にならないように対応。)

・旅行会社店舗入口及び店舗内の手指の消毒設備の設置

・マスクの着用(従業員及びお客様に対する周知)

・店舗等の換気

・商業施設内の店舗については、各商業施設のガイドランに準じた対策の実施

・店舗内の定期的な消毒

・お客様に旅行時の感染防止対策を周知・啓発し、対策の実行への理解と協力を依頼する。


各場面の共通事項 ア 旅行会社店舗

  ・パンフレットスタンドや他人と共用する物品などの頻回に触れる機会を減らす工夫をする。

  ・複数の人の手が触れる場所を定期的に消毒する。

  ・人と人が対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテン、フェイスシールドなどで飛沫

   接触を防止する。

  ・お客様や従業員がいつでも使えるようにアルコール等を店舗内に設置。

  ・手洗いや手指消毒の徹底を図る。

 

 

    旅行中

  ž   お客様、旅行サービス提供事業者従業員の中に無症状感染者がいる可能性ある  ことを踏まえて、感染防止策を取る。

  ž   旅行業者が手配する旅行サービス提供事業者は、原則として適切な感染防止対策を取っている事業者に限定する。

  ž   企画旅行においては、適切な感染防止対策の実施を含めた旅程管理を行う。

4  従業員等向けの対策

 

(1)健康管理

ž  従業員等に対し、出勤前に、体温や症状の有無を確認させ、具合の悪い者は自宅待機とすること。また、勤務中に具合が悪くなった従業員も、直ちに帰宅させ、自宅待機とすること。

ž  添乗業務等、事業所を離れて業務を行う従業員・派遣社員等の健康管理に特に留意し、万一添乗中の従業員等が体調不良となった場合の対応を予め準備すること。

ž  発熱や具合が悪く自宅待機となった従業員の健康状態を毎日確認すること。症状に改善が見られない場合は、医師や保健所への相談を指示すること。

ž  体調不良の場合の自宅待機が当該従業員の負担や経済的な損失につながることのないよう、就業規則等の社内規程・運用において配慮すること。

 

(2)通勤

ž   在宅勤務(テレワークや時差出勤等、人との交わりを低減する取組については、最低7割、極力8割という接触削減の目標の達成に向けて、オフィスでの仕事は、原則として自宅で行えるようにすること、やむを得ず出勤が必要な場合も、出勤者を7割は減らすこと、取引先などの関係者に対しても、出勤者の数を減らすなどの取組みを説明し、理解・協力を求めることなど、テレワークの推進について積極的に活用すること。

ž   公共交通機関を利用する従業員等には、マスクの着用や、私語をしないこと等を徹底すること。

 

(3)勤務

ž   従業員等に対し、始業時、休憩後を含め、定期的な手洗い、うがいを徹底すること。また、手指消毒液を配置すること。

ž   従業員等が、できる限り2メートルを目安に、一定の距離を保てるよう、作業空間と人員配置について最大限の見直しを行うこと。


ž   従業員等に対し、勤務中のマスク等の装着を促すこと。特に、複数名による打ち合わせなど近距離、接触が不可避な場合には、これを徹底すること。

ž   朝礼などは、小グループにて行う、伝達内容をモバイル端末等で伝えるなど、大人数が一度に集まらないようにすること。その他、ロッカーを分ける等により、混雑や接触を可能な限り抑制すること。

ž   店舗における旅行販売・相談等、お客様と近接して会話することが必要な業務についても、電話・オンライン販売への誘導、デジタルパンフレットによる事前案内、来店を要する旅行契約手続き等の簡素化等、お客様との直接接触機会を極力低減するよう業務の見直しを行うこと。

ž   法人等への営業活動についても、可能な限り通信手段を利用した非対面の営業を工夫し、商談時や移動時の感染リスクを低減すること。

ž   添乗やあっせん業務等、事業所外での業務を行うときは、お客様およびサービス提供事業者の従業員の中に無症状感染者がいる可能性があることを前提に、従業員の感染防止行動を徹底すること。

ž   他人と共用する物品や手が頻回に触れる機会を減らす工夫をすること。

ž   ユニフォームや衣服はこまめに洗濯すること。

 

(4)休憩・休息ž   喫煙を含め、休憩・休息をとる場合には、屋外であっても2メートル以上の距離を確保するよう努める、一定数以上が同時に休憩スペースに入らない、屋内休憩スペースについては換気を行うなど、3つの密を防ぐことを徹底すること。

ž   休憩室等での飲食についても、時間をずらす、椅子を間引くなどにより、2メートル以上の距離を確保するよう努めること。施設の制約等により、これが困難な場合も、対面で座らないようにすること。

ž   休憩室等に設置されているテーブル、いす、自動販売機、給湯機等は、アルコール等による清拭消毒を頻繁に行うこと。

 

(5)設備・器具

ž   業務中に従業員等が触れる機器について、従業員等が交代するタイミングを含め、定期的に消毒を行うこと。

ž   洗面所備品、トイレ、蛇口、ドアノブ、ゴミ箱、テーブル、椅子、電気のスイッチ、電話・コールセンターレシーバー、予約端末のキーボード・タッチペン、タブレット、タッチパネル、手すり、エレベーターのボタンなどの共有設備については、頻繁に洗浄・消毒を行うこと。また、トイレの蓋を閉めて汚物を流すよう表示すること。

ž   ペーパータオルを設置するか、個人用にタオルを準備する。

ž   ハンドドライヤーは止め、共通のタオルは禁止する。

ž   ゴミはこまめに回収し、鼻水や唾液などがついたゴミがある場合はビニール袋に密閉すること。ゴミの回収など清掃作業を行う従業員等は、マスクや手袋を着用し、作業後に手洗いやうがいを徹底すること。

ž   建物全体や個別の業務スペースの換気に努めること。

 

(6)従業員等の意識向上

ž   従業員等に対し、感染防止対策の重要性を理解させ、日常生活を含む行動変容を促すこと。例えば、これまで新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が発表している「人との接触を8割減らす10のポイント」や「『新しい生活様式』の実践

例」を周知するなどの取組を行うこと。

 

ž   新型コロナウイルス感染症から回復した従業員等やその関係者が、差別されるなどの人権侵害を受けることのないよう、従業員等を指導し、円滑な社会復帰のための十分な配慮を行うこと。

6  旅行業務取扱上における対策

 

(1)単品(交通・宿泊など(手配旅行)

手配する旅行サービス提供事業者が適切な感染防止対策を取っている事業者であることを確認するよう、お客様に案内する。

手配する交通機関宿泊等の業界等で安全対策が講じられているかをお客様認識して選定できるよう、必要に応じて情報提供などに配慮する。

 

(2)フリープラン、ダイナミックパッケージ(宿泊のみの募集型企画旅行を含む)

(募集型企画旅行)

ž  募集型企画旅行において手配する旅行サービス提供事業者は、原則として適切な感染防止対策を取っている事業者に限定する。

 

(3)団体旅行(日帰りバスツアーを含む)

(募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行)

①旅行の企画

ž   感染状況に応じた適切な旅行先の選定に留意

ž   旅行の出発となる都道府県から、都道府県外への移動自粛の要請がなされていないことを確認する。

企画の際の旅行サービス提供事業者等の選定

ž   旅程に組み込む運送機関、食事箇所、観光施設、体験プログラム等については、事前に適切な感染防止対策を取っていることを確認する。

旅行実施判断(標準旅行業約款募集型企画旅行契約の部                                                 1718条関係)

ž   感染状況の変化等により旅行の安全かつ円滑な実施が困難となった場合、またはその困難となる可能性が大きい場合には、旅行の実施を中止する。

ž   旅行開始後であっても、感染状況の変化によりその後の旅行の安全な継続が困難となる可能性が大きいことがわかった場合は、旅行を中止し出発地に引き返す。

旅行実施に関する助言(手配旅行)

ž   感染状況の変化等により旅行の安全かつ円滑な実施が困難となった場合、またはその困難となる可能性が大きい場合には、旅行の実施の是非を検討するよう、旅行者(団体責任者)に助言する。

ž   旅行開始後であっても、感染状況の変化によりその後の旅行の安全な継続が困難となる可能性が大きいことがわかった場合は、旅行の継続の是非を検討するよう、旅行者(団体責任者)に助言する。

三密リスクを下げる旅程管理ア 交通機関

ž   旅程において利用する各交通機関のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。

イ 宿 泊

ž   宿泊施設においては各宿泊施設のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。

ウ 観 光

ž   観光地では、団体メンバーが集まって「密」の状態を作らないよう、ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行う

ž   観光入場施設では、入り口や施設内部での密集密接を避けるため、小ループに分け、時間差をつけた入場等の工夫を行う。


  食事

 

ž   食事においては、各場所のガイドラインに従った利用ができるよう旅程管理する。

 

ž   その他の場所での食事においても、食事中の飛沫感染を防ぐため、時間を

 

ずらす、椅子を間引くなどにより、距離の確保に留意。

 

ž   食事施設の従業員との接触をできるだけ少なくすることに留意従業員からの料理説明を説明メモに変更するなど)

 

ž   人数が多い団体の場合は、昼食を弁当にするなどして、食事中の感染リスクを低減する。

 

 

 

添乗員が付かない場合は、旅行サービス提供事業者と協力して旅程管理を行う。

 

 

 

お客様の健康管理、社員および添乗員等関係者の健康管理

 

ž   出発前にお客様の体調確認体温、体調チェックを行い、発熱や感染の疑いのある症状を呈しているお客様には、旅行参加を遠慮していただく。

 

ž   旅行中に体調不良となったお客様は、旅行から離団し、他のお客様への感染防止の対応を行うとともに、最寄りの保健所や医療機関に相談受診できよう事前に準備する。

 

ž   体調不良となり離団したお客様が、旅行の出発地または自宅等に戻るために必要に応じた旅行サービスを手配できるよう準備する。

 

ž   旅行中、要所要所での手洗い・うがいができるよう、適切な休憩場所等を 択する。

 

ž   旅行中、お客様にはマスクの着用を要請する 等

 

 

 

イベントコンベンション

 

イベントコンベンション業界の安全対策に準じること。

 

富士急ハイランド

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